1月17日(土)、第174回からつ塾「高温超伝導体の探索と発見~セレンディピティから理論設計へ~」

講師:黒木和彦氏(大阪大学大学院教授)

講師プロフィール:1992年 東京大学大学院理学系研究科博士課程単位取得退学、同年 東京大学理学部助手、1994年 博士(理学)(東京大学)、2000年 電気通信大学助教授、2007年 同教授を経て、2013年より大阪大学大学院理学研究科物理学専攻・教授。 専門は物性物理学の理論研究。特に超伝導発現機構の解明と新しい超伝導体の理論設計。

講義概要: 超伝導は物質の電気抵抗が消失するという極めて特異な現象である。通常は非常に低い温度(-250℃以下)まで冷やさないと実現しないが、窒素が液化する温度(約-196℃)以上で超伝導が実現する物質が少数存在し、「高温超伝導」と呼ばれる。講義の前半では、超伝導の応用に簡潔に触れたのち、一般に超伝導現象がおこる理由を、できるだけ平易に解説する。物理学全般において重要となる「対称性の破れ」という概念との関連についても触れる。後半では、特に高温超伝導に焦点をあて、これらの物質の発見の経緯について述べる。銅酸化物は初めて見つかった高温超伝導体といえるが、その発見は理論的に予想されていたことではなかった。一方、近年では、新しい高温超伝導体の実験的発見に先んじて、理論的研究が行われたり、高温超伝導が定量的に理論予想されたりする時代になりつつある。講演では、過去から現在に至る経緯、未来に向けた展望についても述べる。

日時: 令和8年1月17日(土)  15:00~17:00

会場: 唐津ビジネスカレッジ  (JR東唐津駅北側、徒歩1分)

参加費 : 1,000円(学生500円、中学生以下無料)