【終了しました】9月2日(土)、第154回からつ塾「石が語る地球の歴史~九州と西オーストラリアの地質比較~」
講師:杦山哲男氏(福岡大学名誉教授)
講師プロフィール: 1952年山口市生まれ。1977年九州大学理学部卒。理学博士。福岡大学名誉教授。専門は地質学(層位古生物学)。1998年福岡大学理学部地球圏科学科の創設に参画。大学では専門科目以外に文系学生のための共通教育科目も担当。また最近10年間は大学生の「書く力」の衰退を痛感し,「理系こそ作文力」と称する作文教育科目を担当した。1991年から1年間スミソニアン自然史博物館に在外研究員として滞在。卒論研究の秋吉台を出発点に,3~4億年前のサンゴ化石を探して,国内各地,タイ国,中国雲南省,ヨーロッパ各地,米国アラスカ州など,世界各地で野外地質調査を実施した。現在の趣味はサンゴ礁でのダイビング。
講義概要:地表で見かける石は色も模様も様々で,黙ったまま転がっているように見えるが,実は石はとてもおしゃべりだ。石の話をよく聞いてみる分野を地質学という。石はそのでき方を基準にすると,たった3種類しかない。それは火成岩,堆積岩,変成岩とよばれ,そのでき方には地球表層での大規模なプレートの動きがかかわっている。石の話に耳を澄ますと,地球のこれまでの歩みや,ヒトの暮らしを支えている大地の特徴がわかる。私たちはそのすべてをまだ聞き取っていない。
日本列島は誕生以来今日まで6億年近く,大陸プレートの縁辺部で海のプレートが次々と衝突し沈み込む場所にあり続けた。そのため火山活動や地震を伴う激しい地殻変動が頻繁に発生し,深海底の堆積物や遠いサンゴ礁の堆積物が,地表で歩きながら観察できる世界でも極めてユニークな場所として知られている。今も衝突・沈み込みが続く日本列島の景観と,約40億年前から大陸として地表に存在し続けてきた世界を代表する古い大地である西オーストラリアの景観。両者の違いを比較することは,今私たちがこの九州で暮らす意味を考えるうえで,重要な手掛かりになるものと考える。
日時:令和5年9月2日(土) 15:00~17:00
会場:唐津ビジネスカレッジ (JR東唐津駅北側、徒歩1分)
参加費:1,000円(学生500円、中学生以下無料)