8月1日(土)、第181回からつ塾「現代人の病気は進化によって起きた??~進化医学事始め~その2アフリカを出て世界へ広がると…」

講師:中田稔(なかた・みのる)氏(九州大学名誉教授)
講師プロフィール:東京医科歯科大学と九州大学で歯学を教える。研究者としてはとくに遺伝学の手法を用いて、家族内の歯の形や顔の形の類似度を調べ、遺伝的要因の解明を進めた。アフリカやアジア諸国の現地調査を行い、口の中からみる人類学について研究を行う。瑞宝中綬賞受賞(1998)。著書としては、「ウイグル~その人々と文化」(朝日選書、1991)、「シルクロード 文明交流の過去・現在・未来」(アイネック学術出版、1993)などがある。

講義概要:人類は直立二足歩行により脳を拡大させ、「難産」という課題を「共同養育」という社会基盤で克服してきました。
約7万年前にアフリカを離れた人類は、世界各地へ広がる過程で、緯度に応じた寒冷地への適応や紫外線の強弱による肌色の変化、高地での低酸素適応など、環境に合わせた遺伝的変異を遂げました。約1万年前に始まった「農耕」は、食料の安定と人口増加をもたらした一方、身長の低下や感染症、さらには穀物の蓄積による「格差」や「戦争」を生み出しました。また、飢餓に備えてエネルギーを脂肪として蓄える「節約遺伝子」は、かつては生存に不可欠な「適応」でしたが、飽食の現代においては、この遺伝的な特性が「肥満」を招き、さらに「2型糖尿病」などの生活習慣病につながる「ミスマッチ(逆適応)」へと変貌しています。
私たちの身体は、過去の環境に適応した「進化の遺産」を引き継いでいます。現代病の多くが、この古い身体と現代文明の衝突から生じていることを理解し、文明環境を適切にコントロールする知恵を持つことが、次世代への重要な課題となります。

日時: 令和8年8月1日(土)  15:00~17:00

会場: 唐津ビジネスカレッジ  (JR東唐津駅北側、徒歩1分)

参加費 : 1,000円(学生500円、中学生以下無料)