1月18日(土)、第166回からつ塾「唐津藩の民間塾と宗田運平の生涯」
講師:山田洋氏(松浦史談会会長)
講師プロフィール:昭和11年佐賀市生まれ。長年にわたり松浦史談会事務局長を務め、平成29年より松浦史談会会長に就任。唐津藩内の庄屋文書を始めとする近世文書の研究を行う。
講義概要: 江戸時代末期、唐津藩領見借村の庄屋宗田運平は、「愛日亭」という郷塾(民間塾)を開いていました。彼は儒学だけでなく数学・天文・暦法を究めた学者として有名で、『算法芥法問答』という数学入門書や、『算法通解』等の専門書を著しています。愛日亭には農村の子弟だけでなく、唐津藩士も通い学問に励んだといわれています。この他にも唐津藩の村々には、学問を学ぶ場としての民間塾が庄屋宅を中心に数多く設けられていました。
特に、浦河内村庄屋秀島皷渓(寛三郎)は、明倫塾(浦河内村)・会輔塾(厳木村)・五惇堂(中島村)を開設し、そこには庄屋・医師・郷足軽・神官なども門弟として名を連ねています。なかには、島原藩士や長崎稲佐村の庄屋の名も見られます。これら民間塾は、読み書きそろばんを教えた寺子屋とは違い、比較的程度の高い教授内容を互いに討論する中で理解を深め、学んだことを実践することに重きを置きました。秀島皷渓は晩年、『積慶録』を著し、唐津藩の民間塾の流れと特色をまとめています。それによると、唐津藩の民間塾は、土井候の家臣奥東江の学風を受け継いだ吉武法命が、代官として村々を廻るなかで種がまかれ、根を下ろしていったことがわかります。
今回は、『積慶録』や唐津に残る庄屋文書等を読み解きながら、唐津藩の民間塾の特色と、そこに学んだ俊才達についてお話し致します。
日時: 令和7年1月18日(土) 15:00~17:00
会場: 唐津ビジネスカレッジ (JR東唐津駅北側、徒歩1分)
参加費 : 1,000円(学生500円、中学生以下無料)