【終了しました】5月20日(土) 15:00~17:00、第152回からつ塾「レヴィ=ストロースの世界」

講師:大嶋 仁氏(福岡大学名誉教授)
講師プロフィール:福岡大学で20年間比較文学を教える。それ以前にはパリ国立東洋言語文化研究所、南米のアルゼンチン、ペルーで日本思想史と日本文学史を教えた。中国の中山大学国際翻訳学院に特任教授として招聘される。著書:「精神分析の都」作品社、「ユダヤ人の思考法」ちくま新書、「知の噴火口 九州の思想をたどる」西日本新聞社、「メタファー思考は科学の母」弦書房、「科学と詩の架橋」石風社など多数。

講義概要:レヴィ=ストロースは20世紀における人類学の巨匠であるが、私個人にとっては日本を解明する扉を開いてくれた人である。彼自身、日本を数回訪れて面白い見方を提示しており、日本の世界における意味をも示した点が注目される。まずは、彼の解明してくれた日本とは何だったのか、それについて考えたい。
彼が西洋中心主義の殻を破って、人類全体を理解する新たな地平を拓いたことも重要である。そのような地平を拓くために彼は科学的な方法に徹し、人類を説明するのに地質学と物理学と化学の知識を用い、さらには言語学と記号論および情報科学に依拠したのである。その結果、人類の文明が単線的な進歩史観によっては解明できないことも明らかになったのである。
レヴィ=ストロースが仏陀の思想を知の究極としていたことにも触れたい。彼にとって仏陀はエントロピー上昇の必然を認め、分析的知性を極限にまで押し進めた人だったのである。彼は仏陀とともに人類も地球もいずれは消滅するものと見る。人類はそれに気づかず進歩を追い求めるが、これは迷妄にすぎないという境地に達したのである。

日時: 令和5年5月20日(土)  15:00~17:00
会場: 唐津ビジネスカレッジ  (JR東唐津駅北側、徒歩1分)
参加費 : 1000円(学生500円、中学生以下無料) 

会場は教室形式になっています。当日の健康管理、状況によってはマスクの着用をお願いします。