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『家族の由来と未来 〜ゴリラの社会から考える〜』

  • 開催日時:平成26年3月3日(月)19〜21時
  • 開催場所:虹の松原ホテル(JR東唐津駅タクシー5分・徒歩20分)
  • 参加費:1,000円(学生500円)

講義要旨

 人間の生活史には、人間に近縁な類人猿(チンパンジー、ゴリラ、オランウータン)にはない特徴がある。
それは、離乳をしてもおとなと同じものが食べられない子ども期と、繁殖能力がついても繁殖に参加しない青年期、それに繁殖から引退した長い老年期である。
これらの特徴は人類の進化史にそれぞれ独立に現れたわけではなく、組み合わさって人間の社会を作ってきたはずである。

 ではなぜ、それらの特徴が進化したのだろう。
まず、離乳が早くなったのは人間の祖先が豊かで安全な熱帯雨林を離れて、肉食獣の多い草原へと進出したことが原因である。
幼児死亡率が上昇し、それを補うために多産になった。
青年期の出現は脳容量の増大と関係がある。
直立二足歩行が完成してから脳を大きくした人間の祖先は、頭の大きい子どもを産めなくなった。
そのため、胎児の状態の子どもを生んで、脳を急速に成長させるようにしたのである。
脳に多大なエネルギーを供給するため、身体の成長が遅れ、12〜16歳で脳が完成する頃、今度は身体が急速に成長する。
これを思春期スパートと呼び、心身のバランスが崩れる時期でもある。

 その結果、人間は頭でっかちの成長の遅い子どもをたくさん抱えることになった。
共同保育をする必要性が増し、繁殖から引退した老年期の世代が子育てに参入するようになった。
豊かな知識と経験を用いて老年期の世代が人間に特有な二つの時期を支えたからこそ、人間はそれまで足を踏み入れなかった地域へと進出し、人口を急速に増やすことができたのだと思う。
家族を中心とする人間性はその時代に発達したと考えられる。
その家族が現代の社会で崩壊の危機に瀕している。
家族の由来を問いながら、その問題を考えてみたい。

講義風景


山極寿一先生講義「家族の由来と未来 〜ゴリラの社会から考える〜」

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