からつ塾生きた学問を全ての人たちに

からつ塾

トップ  >  林良博教室  >  子どもたちに伝えたいこと

「 子どもたちに伝えたいこと 」

  • 開催日時:平成19年4月16日(月)午後7時〜午後9時
  • 開催場所:唐津ビジネスカレッジ(JR東唐津駅前)
  • 参加費:2,000円(大学生以下1,000円)

講義要旨

日本国憲法が公布される前に生を受けた人間としてわたしは、「日本は二十世紀から二十一世紀にかけて、世界でもっとも成功した国家レジームを作った国」(立花隆 UP413号)であることを子どもたちに伝える責務がある。
しかし、これだけ平和で、民主的で、平等な社会が六十年の長きにわたって繁栄した裏で、かつての日本的な良さが失われてきたことも、残念ながら事実として伝える必要がある。
さらに言うならば、単に伝えるだけではなく、すっかり変貌してしまった日本的な良さをいかに復活すべきか、その道筋を考え伝える責務があるだろう。

かつての日本の農山漁村は、貧しいながらも豊かな自然と文化の中で、子どもたちを健全に育てる能力を有していた。
いまや1500戸にまで減少してしまった養蚕農家も、最盛期には120万戸もあり、子どもたちは蚕とはどんな生き物かを日常的に知っていた。
戦後の一時とはいえ、山羊・緬羊を1,2頭ずつ副業として飼育していた百万農家も激減し、日本緬羊協会は日本畜産技術協会に吸収合併された。
多くの子どもにとって山羊・緬羊は動物園にいる動物になってしまった。

家畜家禽だけでなく、野生動物の多くも絶滅したか、絶滅寸前のところまで追い込まれてしまった。
かつて5000もの地方名をもっていたメダカがその典型で、小学五年生の教科書に描かれているメダカは、メダカではなくヒメダカになってしまった(その結果、子どもたちはメダカのおなかは赤いと信じている)。

日本の新・生物多様性国家戦略は、生物多様性は三つの危機に直面しているという。
第一の危機は、人間の活動や開発によって種の減少や絶滅が起こることであり、日本産のトキはこの典型である。
第二の危機は、第一の危機とは正反対に、自然に対する人間の働きかけが減っていくことによって生物多様性が減じることである。
里地里山の荒廃がその典型である。
第三の危機は、移入種や化学物質による影響で、アライグマ、ブラックバスなど人間によって外国から持ち込まれた種が地域固有種を脅かしている。

2002年に策定された新・生物多様性国家戦略は、わたしもその委員の一人となって現在見直しを行っているので、この見直し作業で指摘された現状と問題点について紹介したい。

講義風景


林良博先生講義「子供たちに伝えたいこと」

林良博先生と塾生の質疑応答の様子

林良博先生を囲んで懇親会

プリンタ用画面
前
生き物への配慮
カテゴリートップ
林良博教室