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「動物ドキュメンタリー -語りの比較文学-」

  • 講師:マリア・ヘスス デ・プラダ=ヴィセンテ(Maria-Jesus De Prada Vicente)
  • 開催日時:平成20年11月17日(月)19時00分〜21時00分
  • 開催場所:唐津ビジネスカレッジ(JR東唐津駅前)
  • 参加費:2,000円(大学生以下1,000円)

講義要旨

動物の生態を観察したビデオやDVD、テレビ番組などがたくさんあります。
今回はテレビの動物ドキュメンタリーに話を絞り、その語り方を比較文学の立場から検討してみたいのです。

動物ドキュメンタリーの主な制作者としては、イギリスのBBC,オーストラリア放送協会(ABC)、日本のNHKなどがあります。
それぞれの国における動物の観察の仕方や、動物の生態についての語り方に注目して比較すると、文化のちがいが見えてきます。
それぞれの文化が動物の世界に投影されているからです。

イギリスの番組は動物に対して人間が支配的な姿勢を示しています。
人間が優秀であることを前提とし、動物は「別世界」であり、それに対して人間は介入しないという立場です。
彼らの動物の描き方は「殺す」か「殺される」かという点に集中します。
また、動物たちにイギリス的なロマンティシズムを投影しているのが目立ちます。

オーストラリアの番組は人間も動物も同じワイルドな自然に置かれている動物だという立場です。
ワイルドな動物同士の力比べに焦点が当てられています。
オーストラリアはアボリジニ(先住民)を支配したように、動物を支配しようとする考え方をしています。
すなわち、無理やり自分たちのルールをつくって、そのなかで「仲良くしよう」という方針です。

日本の場合は、人間も動物も同じレベルに置かれる「おなじ生き物」という前提です。
この前提から、ただ動物たちを眺めるのです。
同じ生き物として、動物たちはきっとこう考えているだろうと推測しながら語るのが特徴です。
そういう日本の動物番組の制作者とそいて、羽仁進は別格です。

講義風景


マリア先生講義「動物ドキュメンタリー -語りの比較文学-」

マリア先生と塾生の質疑応答の様子

マリア先生と塾生の質疑応答の様子

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