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  • 講師:向井弘晏(むかい ひろやす)氏(郷土史家)

  • 講師紹介:
    講師紹介:1941年熊野市生まれ。1998年NTT退職。
    市内で江戸後期に善根宿(貧しい巡礼を無料で泊めた民家)をした家を探し「納札」を発見、これを三重大学と合同調査。5,000点余りが三重県文化財に指定。調査報告を早稲田大学、明治大学等のオープンカレッジで講演。また熊野市全ての庚申塔136を調査し著書にまとめる。
    熊野古道語り部と古道の保全に今日まで16年間携わる。
    2018年、一般社団法人日本善行会から「善行賞」を授与。
    熊野市文化財専門委員、三重県文化財保護指導員、みえ熊野学研究会運営委員、熊野古文書同好会会長。
    著書には『熊野市域の庚申塔と庚申信仰』(2014年発行、マージネット)。
    共著には『三重県熊野市大泊町 若山家所蔵熊野街道善根宿納札調査報告書』(三重大学人文学部塚本研究室・熊野古文書同好会編)、『地名は警告する』(冨山房インターナショナル)、『熊野参詣道伊勢路を行く』(みえ熊野学研究会編)など。

  • 日時:令和元年11月16日(土)  15:00〜17:00

  • 会場:唐津ビジネスカレッジ(0955-77-1771 JR東唐津駅北側、徒歩1分)

  • 参加費:1000円(学生500円、中学生以下無料)事前申し込み不要、直接会場へお越し下さい。

  • メール:karatsujuku87@gmail.com (講義案内の配信希望の方もご連絡ください。)

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  • 開始時刻 15時00分
    定員数 80人

    講義案内


     熊野の「熊」の語源は隅、つまり「奥まったところ」というのが有力である。飛鳥、奈良、京都など古代の都からの距離はさほどではないが、間の重畳たる山並みが物理的にも心理的にも双方を隔離した。
     太古の火山活動が生んだ巨岩、多雨が育てた巨木への素朴な畏怖に、神祇信仰の神々が重なった。そこに入ってきた世界宗教の仏教が土着の祈りと融合し、それらを取り入れた山岳宗教の修験道を育てた。こうした重層構造が熊野信仰の特徴といえる。熊野三山には江戸期まで神仏習合がごく自然に根付いていた。
     明治政府の神仏分離・修験道禁止政策は様相を一変させた。神仏分離令がもたらした具体例を熊野三山、そして廃仏毀釈が徹底した奈良県十津川村と島根県隠岐諸島も併せて語りたい。 しかし、熊野の重層的な信仰形態は明治期の神仏分離や淫祠・小祠廃止からしぶとく生き残った。その一例として熊野市の庚申信仰も紹介したい。市内に136もの庚申塔が残り、今もなお人々の祈りを受け止めている。